2024.6.2【活動報告】ホワイトリボンラン2023の寄付金でできたこと(ガーナ)

国際ガールズデーに際し、若年妊娠の多いガーナで、若い女の子を対象にした性と健康に関する知識の啓発イベント「ガールズデーセッション」を実施しました。ジョイセフエプロンを使って女性の体、生理や妊娠出産の仕組みを学んだり、保健センターやユースセンターのツアーを行いました。継続的に啓発活動ができるように、性に関する正しい情報を広めるピア・エデュケーターも育成しました。ピア・エデュケーターの活動や子どもたちの保健センター、ユースセンターの活用を促すため、大人サポーターとなる、若者アドバイザリー委員会を設置、メンバーを選出し研修を実施しました。

背景
ガーナ、イースタン州は、若年妊娠(10-19歳の女性)が多く、州の平均は12.3% と国の平均(11.1%)を上回り、大きな課題の一つとなっています。若年妊娠は、合併症を起こしやすく、妊産婦・新生児死亡のリスクが高い上、女性の教育や雇用の機会を奪い、女性の自立を妨げる要因にもなります。若年妊娠の主な原因の一つに、SRHRに関する知識や情報の欠如があります。本活動はSRHRに関する正しい情報を若者に届けることで若者のサービス利用を促します。
アッパー・マニャクロボ郡保健局統計 (2021年)

活動の目的
保健ボランティアによる若者への啓発教育活動の強化を通して、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)に関する正しい知識や情報を伝え、若者のSRHサービス利用を促進する

実施地域
イースタン州コウ・イースト郡

対象人口
コウ・イースト郡:99,249人 

実施期間
2023年9月~2023年12月

共同実施機関(現地)
ジョイセフガーナ事務所
共同実施機関(日本)

活動の様子

1.女の子のためのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ啓発イベントの開催

思春期の女の子を対象にガールズデーセッションをコウ・イースト郡コトソで開催。ユースセンター、保健施設、学校などでヘルススタッフや学校教師と連携して実施しました。どの会場でも、妊娠や出産、月経、避妊などについて子宮のイラストとカードを組み合わせたジョイセフエプロンやフリップチャートなどを活用したセッションを行いました。若者が好む劇、ダンス、スポーツなどエンターテイメントを統合させて、楽しみながら性について学べるプログラムを実現しました。また、参加した50人の女子を対象に保健クリニックのツアーを開催し、医療従事者から女子たちへ直接説明をしてもらいました。

2.性の正しい知識を伝えるピア・エデュケーターの再研修

ユースセンターで活動するピア・エデュケーターを対象に、若者の性と生殖に関する健康(月経、若年妊娠や性感染症、避妊など)についてや、教材(ジョイセフエプロン)を活用した啓発活動の実演を含んだ再研修を実施しました。

3.大人サポーター「若者アドバイザリー委員会」の設置

ガールズデーイベントを実施したコウ・イースト郡コトソでは、地域の保健スタッフ、村のリーダー、教師で構成される「若者アドバイザリー委員会」を設置し、9名の大人サポーターが養成されました。アドバイザリー委員会に選出された大人たちは、3日間の研修でコミュニケーションスキル、リーダーシップ、ユースセンターの運営など学びました。今後は、大人サポーターが若者ピア・エデュケーターをサポートし、若者の健康を促進していきます。

ジョイセフガーナ事務所カントリーマネージャー 
エマニュエル・オベンさん

「ホワイトリボンランの寄付で、ユースセンターでのガールズデーのイベントを実施することができました。このユースセンタージョイセフが支援して建設したユースセンターです。ここは若い女性たちの人生を変える場所と言っても過言ではありません。ここでは、いつでも保健スタッフから性と生殖に関する健康情報やサービスを受けられ、生理の悩みもすぐに相談できます。また、図書館で宿題を持ち寄り、学習を深めることができ、家で退屈なときには教育番組を見たり、広場で体を動かしたりすることも可能です。センターを積極的に活用することで、彼女たちの未来が大きく変わります。ガールズデーのイベントはこのユースセンターを広く少女たちに知ってもらい、活用してもらうきっかけになりました。」